柴田匠の「見る前に跳べ」

男の子二人と犬と家族四人と一匹でのんびり過ごしてます。音楽やったり、色々やったりしてます。

赤いコーラとトンカツ

先日絶縁状態だった父親が急死しました

 

突然の連絡に悲しみというより正直「ああ、とうとう話せないまま亡くなったか」というかんじでした

 

ここで父親との軋轢を話すつもりはありません、冷たいように感じるかもしれませんが44年の間父親だった人に対する自分の気持ちを素直に書こうと思います。生前父親は良く自分のSNSをチェックしてたので供養もかねて。またこれは個人的な内容なので別に読まなくて大丈夫です

 

五年ぶりに会った父親はもう硬く棒みたいになって棺に入っていました。泣き崩れる母親を見ながら葬儀のことをしっかりやらなくてはと更に冷静になり涙は全く出ませんでした。もちろん悲しみもありませんでした

 

急死だったので家にはつい先日まで生きていた父親の生々しい生活のあとがありました。冷蔵庫をあけると大量のダイエットコーラ、ヨーグルト、野菜ジュース。甘いものが大好きな父親ですが近年は糖尿病を患っていたため健康を気にしながら我慢して生活していたようです。その他色々主人をなくした愛用品や脱け殻みたいなものが家には沢山ありました

 

お通夜は自宅で少人数の知り合いを呼ぶ形式。お坊さんや戒名もない、遺影は半分愛車が入ってるなどと自由でした。でも実に素敵な式でした。絶縁していた自分と連絡をとらずに悩んでいたときに母親と姉二人で考えてくれた式です。端からみたら奇妙でしょうが非常に父親らしくて良かったとおもいました

 

そんなお通夜に来てくれた人に飲み物を振る舞おう、父親の好きだったお菓子を渡そうという話になり近所のスーパーに買い出しに行くことになりました

 

そこで供養だとばかりに父親の大好きだったものなんでも買ってやれと思い、生前父親が健康のために我慢していた食べ物を片っ端から買い物かごに入れていきました

 

砂糖たっぷりのカリントウ、甘い甘いゼリー、アイスクリーム、赤いコーラ、トンカツ。どんどん入れていきました。そうだよな食べたかったんだろうな本当は、でも我慢して健康で長生きして、やりたいこと沢山あったんだろうな。生きたかったんだろうな。長生きしたかったんだろうな。死にたくなかったんだよな。でも死んじゃったな。それなら我慢しないで食べればよかったじゃん。何で死んじゃったんだよ!このバカ野郎!!

 

気づいたら初めて何か怒りに似たでも違う感情が沸き上がってきていました。そう思ったら心の奥底にあった何かがグググッと上がってきました。ふと気づいたら知らないうちに泣いてました。全然涙が止まりませんでした。そこからしばらく涙が止まらず人目を憚らずスーパーで号泣していました。赤いコーラとトンカツを持ったまま。どんどんどんどん涙が溢れてきました

 

でも、そのとき悲しいとかそういうのは正直分からなかったです。でも悔しいじゃん。だって楽しいことがあるからずっと我慢してたのにさ死んじゃってさばかみたいじゃん、何やってんだよ!って思ったらなんか凄く胸が苦しくなって自然に涙が溢れてきました。怒りや悲しみとは違う感情に突き動かされました。

 

父親が亡くなって1ヶ月まだ自分でその死を受け入れられてないのかもしれません。生きてるうちに仲直りできなかった後悔は少しあります。孫にも会わせてあげれなかったし。なのでこれから心の中にいる父親とは少しづつ向きあっていくのかなと、よいことも悪いことも含めてゆっくりと

 

最後に

 

お父さんへ

こんなになるなら赤いコーラとトンカツ沢山食べれば良かったね、これからはかわりにたまに食べるからね。まだまだそっちに行く予定ないけど行ったらそっちで赤いコーラで乾杯しようね。今まで本当にありがとね

 

最後にこのブログを読んでくれた人にひとつだけ言えるなら

 

人生何が起こるか分からない、だからできることなら今この瞬間の気持ちも大切にしてあげてください

 

ふと気づいた時は我慢せず、自分を甘やかしていたわってあげてください。周りの親しい人にも同じに優しくしてあげてください。今日だけで構いません。よろしくお願いいたします。明日死ぬかもしれない。なら今日ぐらい心のままに生きてください。あなたにとっての赤いコーラを、ご褒美をあなた自身に今日あげてください。明日は何が起こるかわかりません

 

皆さんが後悔のない日々を送れるように祈ってます


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